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アジアSAKE事情~マレーシア・クアラルンプール編~
こんにちは!アジア担当のけんじろうです。今回は東南アジアの国、マレーシア・クアラルンプール編をお届けします。
マレーシアは東南アジアのタイの南、シンガポールの北に位置する国で、その中部にあるのが首都クアラルンプールです。国土は日本の9割程度の約33万km2で、総人口は約3200万人です。
マレーシアは主に3つの主要民族(マレー系・華人系・インド系)が共存しており、その中でも全体の7割弱を占めるのが原住民であるマレー系民族です。このマレー系の人々はブミプトラと呼ばれ、現在マレーシア政府によるブミプトラ政策により優遇措置が取られています。次に多いのは華人系で全体の25%程度ですが、ペナンやジョホールなどの一部の地域では3割を超えています。そして残りがインド系のマレーシア人になります。
大多数をマレー系が占めているわけですが、彼らの主な宗教はイスラム教、食生活の面では豚やアルコールが厳しく制限されます。そのため、“ハラール”がこの国にとって非常に重要なキーワードになります。また、インド系の主な宗教は仏教でこちらは牛肉を食べることができません。それに比べ華人系は特に制限はなく、むしろアルコールなどは非常によく消費します。この国の飲食業界ではこの3民族の特性を理解することが重要なポイントになります。
日本食も発展を続けるマレーシアではレストランやスーパーにて食材が多く見られます。回転寿司も2005年ごろからオープンし、昨今回転寿司がハラール認証を受け、宗教を問わないお客で店は賑わっているようです。専門的な高級日本食レストランもオープンしていますが、ラーメン・牛丼のようなジャパニーズファストフードはやっと出店し始めたぐらいの感じです。
日本酒は数多くのスーパーで取り扱われ、ISETANなどの高級デパートではきちっとした売り場が設けられています。レストランではムスリムの方のためにあまりお酒を常備している店がないため、持ち込みでお酒を楽しまれる方も多いんだとか。持ち込みの際には、客は小売店でワインセラーからワインを選ぶようにお酒を選んでからレストランへ来店するため、普及には小売店でのプロモーションなどが重要になってくるように思われます。
今年に入って、ハラール認証を受けた和牛の輸入も始まるなど日本の食材・製品・ブランドはマレーシアではニーズはあるものの、日本食で完全にハラール認証を受けているレストランが少ないことは日本酒普及にとっても大きな課題の1つと言えるでしょう。
如何でしたでしょうか。
次回はシンガポールに関する情報をお届けしたと思います。
乞うご期待。
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