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酒蔵レポート~正宗の元祖!櫻正宗~
こんにちは、のざきです!先日“櫻正宗”にて蔵見学をさせていただきました。
櫻正宗は創醸1625年、約400年間に渡り兵庫の灘で日本酒を醸してきた歴史の深い酒蔵で、今ではよく目にする日本酒の名称〈正宗〉の元祖でもあります。
〈正宗〉とは仏教の経典「臨済正宗(りんざいせいしゅ)」に由来し、〈正宗(せいしゅう)〉が〈清酒〉と語音が通じることから、1840年に〈正宗(せいしゅう)〉と名付けられました。しかし、いつの頃からか「まさむね」と読まれるようになったそうです。
蔵の見学では、米の洗米から発酵タンク、搾りの機械、貯蔵タンクまで一つ一つの酒造り工程や機材の説明も含めて詳しく案内していただきました。櫻正宗は本社ビルの中に製造場があり、細かい温度管理から酵母の研究まで自社で行っています。櫻正宗では協会一号酵母を使用したお酒も醸しており、この酵母は1904年に政府が優良酵母の検索を行い選んだ結果、櫻正宗で発見された逞しい酵母が優れていると判定され、日本醸造協会より協会一号酵母として頒布されました。
酒造りの盛んな時期ではないので大きな機械は稼働していませんでしたが、乾燥させている米があり、聞くところによると少しでも早く蒸した米を冷まして乾燥させるため、社員総出でお米を広げる作業を行ったそうです。蒸したてのお米は90度にもなるようで、潮干狩りで使用するような熊手を使うとのこと。しかし、慣れた方だと直接手で行うんだとか…!
大きな機械、ステンレス製のタンクで醸される櫻正宗のお酒ですが、お米、酒母の状態の確認や細かい修正はすべて人の手によって行われています。機械で行えることにも限界があり、やはり最後の決め手は職人の技なのです。
また、今の製造場を稼働するタイミングで阪神淡路大震災に遭われました。幸いにも製造の機能を現在の本社に移していましたが、元々使用していた昔ながらの蔵は倒壊してしまい、残ったのは“櫻宴”の前に構えている門のみで、そちらも傾いていたものを修復したそうです。
本社の向かいにある“櫻宴”にはきれいなお食事処もあり、昔使っていた酒瓶や当時の貴重な映像がみられる資料館もあります。歴史を学び、いただくお酒はより美味しくかんじられるのではないでしょうか?
以上、櫻正宗訪問レポートでした。
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